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「虎臣くんっ、制服!」
「え?うわ、やばっ」
慌てて身を起こす。
やっばい。制服汚した。
派手に飛んでしまっているのは、蒼紀とオレの放ったもの。
どんなけ余裕がないんだよ……どうしよ。コレ蓮さんに洗ってもらうの?なに言われるかわかんないじゃん!
「…誤魔化せないよね、さすがに」
「ん…でも大丈夫。すぐ洗えば落ちるから」
「洗ってくれるの?」
「うん。バスルームで洗っちゃうから、着替えて」
立ち上がろうとする蒼紀の手を捕まえた。
何も出来ないなんて、全然そんなことないよ。蒼紀はとても可愛くて、すごく頼りになるひと。
……でもさ。
「すぐ?」
「なにが?」
「すぐ着替えなきゃ、ダメ?」
すっかり冷静さを取り戻した蒼紀を見上げる。すぐじゃなきゃダメ?もうしないの?
オレの言葉が意図することに気付いた蒼紀は、ちょっとだけ頬を染めたけど。軽く頭を叩かれてしまった。
「早く脱ぎなさいっ」
「はあい……残念」
仕方なくオレも立ち上がって、制服のボタンに指をかける。待っていてくれる蒼紀と目が合ったら、彼は見たこともないくらい幸せそうに、笑っていた。
《ツヅク》