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[Novel:14] -P:09-


 足の上に炯を抱いた旭希が、後ろに指を潜り込ませると、それだけでも炯は悲鳴のような喘ぎを迸らせた。
「ああっ!あ、んっ、やああっ」
「これなら、すぐにでも大丈夫そうだな」
「あさきっ!あさき…!」
「わかったから。そうしがみつくなよ炯」
 くすくす笑う旭希の、熱いもので貫かれて。一気に背中を走った悦楽に、炯は悲鳴を上げた。
「あああっ!や、やあっ!」
「っ…!炯、そんな締めんな」
「あっ…あっ…!」
 焦がれていたものを一気に与えられて、炯は半分意識を飛ばしてしまっている。抱き上げてくれている旭希の身体にしがみつき、刺激を求めて腰を浮かせる炯の腕を、後ろにいた鷹谷が両側から掴んだ。
「そんな必死にしがみついていたら、旭希さんも動けないだろう?」
「やああっ…あっんんっ」
 震える手をとって、鷹谷は炯の身体を自分の方へ引き倒した。首元を寛げただけの鷹谷が視界に入って、炯は思わず頬を染めた。
 肩から上を鷹谷に預け、投げ出した足は旭希に掴まれ、その旭希に深く中を抉られている。何も着ていないのも、イカされて放っているのも自分だけだ。
 なんて格好をさせられているんだと、僅かに残った理性が炯を責めるけど。そんな言葉まで、炯の身体を熱くさせてしまっていた。
 両腕を鷹谷に、両脚を旭希に押さえられているせいで、炯の身体は覆う隙もないほど二人の視線に晒されている。嫌だと首を振るのに、中にいる旭希を奥へと誘う蠢きも、鷹谷の腕に縋ろうとする指も、もう自分では止められない。
「動くよ、炯?」
 旭希の優しい声。目を閉じて頷くと、悦楽に溢れる涙が零れた。
「ぁっ…んっ、ん…あ…」
 緩やかな抽送は、旭希から与えられるもの。いつもと同じように、旭希が炯の身体を気遣いながら中を擦っている。駆け上がってくるたまらないうねりに、炯は目の前の鷹谷に縋りついた。
「んっ、あ…ああっ、たかや、さ…」
 炯の視界がだんだんとぼやけていくのを確かめて、鷹谷は炯の腕を離した。もう炯は、抗ったりしない。離されても鷹谷の身体にしがみついて、旭希に揺すり上げられるまま声を上げている。
 ふっと口元に笑みを浮かべ、鷹谷はベッドサイドのタバコを取り上げる。ブラックストーンの甘い煙を吐き出す鷹谷に、旭希が眉を寄せた。
「煙いんだよ」
「それは、すいませんね。意外と暇なんですよ。これぐらいは構わないでしょう?」
 なあ炯、と。囁く鷹谷が片手間に炯の胸を弄る。
 鷹谷の器用な指に尖った先を捏ねられ、旭希にはもっと奥を突き上げられて、されるがままの炯は鷹谷のシャツを握り締めた。どこかへ飛ばされてしまうんじゃないかと思うほど、身体中が快楽に染まっていく。
「ひ、あぁっ…たかや、さ…たかやさんっ!…やっぁ」
「炯…お前ね。誰が挿れてるか、わかってるか?」
 気持ちよくさせているのは自分なのに、鷹谷の名前ばかり呼ばれるのは納得いかないと。不満を訴える旭希は、炯の前を掴んだ。
「あああっ!やめっ…!」
「ほら、オレの名前も呼べよ」
「あさきっ!あさき、はなしてっ」
 鷹谷の吐き出す甘い香りに身体を覆われ、愛する旭希に意地悪く前をせき止められて。首を振る炯は、声が枯れるほど旭希の名を叫んでいた。



 今まで経験したことのないほど大きな刺激にイカされた炯は、旭希の欲を中へ注がれて、ぐったりと身体を投げ出してしまっている。疲労困憊のはずなのに、旭希のものが中から抜かれると、炯の身体はもの足りなくて震えるのだ。
 鷹谷の膝に頭を乗せたまま、ころりと横を向いた炯は頬に当たる固いものに気付き、潤んだままの視線を上げる。
 鷹谷の表情には、余裕が窺える。旭希と話している会話は、今の炯では理解できないけど。きっと旭希も鷹谷のこの余裕の表情に騙され、鷹谷のものがこんな熱くなっているなんて、気付いていないだろう。
「炯?どうした」
 酷薄な笑みを口元に浮かべ、炯を見下ろしている鷹谷。でもその瞳に宿っている優しさを、もう炯は疑わない。この人は、旭希を愛しているままの炯を、受け入れてくれる。意地悪で、酷い人。でも必ず炯の苦しみを掬い上げて解き放ってくれる。
「…炯?」
 足元にいる旭希も、不思議そうに炯の名前を呼んでいる。
 旭希の声の優しい響きと、鷹谷の声の痺れるような低さ。どちらもが炯の身体に火をつけた。
「…しても、いいですか…?」
 何をだと、問う暇などなかった。二人が見つめる先で炯は身体をうつ伏せ、少し上体を持ち上げて、鷹谷のジッパーを下し熱を持って固くなっているものを掴み出した。
「まったく、お前は…」
 炯は鷹谷のものに唇を寄せ、赤い舌で先を舐めた。ちらりと視線を上げてみるが、炯の突然の行動に鷹谷は慌てた様子もなく、苦笑いを浮かべている。


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