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[Novel:14] -P:10-


「いいのか?旭希さんの前でそんなことをして」
 汗で濡れた髪に指をくぐらせ、鷹谷は炯の顔が良く見えるよう、頬に手を添えた。
「いいのかって、今更だろお前も」
「まあ、そうですね」
「ほら炯。こっちしてやるから、もうちょっと腰上げろ」
 旭希が炯の細い腰を高く掴み上げると、鷹谷も合わせるように身体を浮かせた。
 腕を引いて、咥えたままの炯を引き上げる。四つん這いのようになった炯は、太いものを口いっぱいに頬張ったまま、後ろから旭希に貫かれて眉を寄せた。
「うっ、んんっ!…んっ…んんっ」
 苦しいのに、咥えたものを離したいとも、後ろから突き上げてくるものを抜いて欲しいとも、少しも思わない。どんどん角度を上げる鷹谷のものが愛しくて、後ろから聞こえる旭希の僅かな喘ぎが嬉しくて、気が狂いそうだ。
 咥えた炯が頭を動かさなくても、旭希が突き上げる振動が伝わって、自然と鷹谷のものを根元から先までしゃぶるような状態になってしまう。旭希が少し身体を炯に寄せて、その耳元に囁いた。
「炯…中、凄いことになってるぞ」
「うぅ…んっ、っ!」
「もう、とろとろだ…これなら、鷹谷のも一緒に入るんじゃないか?」
 旭希は自分のものを咥え込んでいる炯のうしろ、狭いところにゆっくりと中指を挿入させた。
「ほら、こうやって。…柔らかいな、お前の中」
 身体で刻むのとは違う律動で、長い指が炯の中を掻き乱す。炯は緊張に背をしならせ、頭を振った。想像するだけでも怖くて、身が震える。
「あなたも大概なこと言いますね」
「お前にだけは言われたくないね」
 炯は泣きそうな顔で鷹谷を見上げた。息苦しさと、もしされたらどうしようという恐怖で、咥えていたものから離れてしまう。
「あっ…あ、たかや、さん…」
「どうした?挿れられたいのか?」
「やっ…やだ、おねがい…っ」
 涙を浮かべて懇願する炯に、鷹谷は笑い出す。
「お前は本当に。もう少しこの人を信じてやったらどうだ?…するわけないだろうが、旭希さんに限って」
 本当に?と。不安そうな視線が、旭希を振り返った。
「…まあ、オレはな。でも鷹谷はする気になれば絶対ヤるぞ?気合入れてしゃぶれよ、炯。イカせられなかったら、その時はさすがに庇ってやれないから」
 苦笑いを浮かべる旭希が、なあ?と鷹谷を見上げる。肩で笑っている鷹谷が、炯の髪に手を差し入れて、強引に自分のものを押し付けた。
「わかったら、とっとと続けなさい」
「う、んんっ…ふ、ん…」
 素直に根元から舐め上げた炯は、先の方に吸い付いた。咥えたものの先を舌で弄りながら、口腔全体を使って吸い上げる。自分の唾液が漏らしているぐちゅぐちゅという音と、旭希が後ろで零している濡れたものが擦れ合うような音に、思考を揺さぶられた。
 怖い、絶対嫌だと思うのに、優秀な脳が二人に貫かれるシーンを描き出す。痛みを排除してしまっている、都合のいい妄想。
「っ…けい!」
 旭希の動きが早くなると、炯は鷹谷のものに喉の奥まで突き上げらてしまう。
 強く腰を引きつけられ、二度目の精を叩きつけられたとき。たまらずに自分でも放った炯が、くぐもった悲鳴を上げた。苦しくて咥えていたものから離れようとした瞬間、鷹谷の手に頭をつかまれ、強引に引き寄せられて。
「っ!ん、んんっ、っ…!っほ、けほっ…」
 炯が鷹谷のものを飲みきれなくて咳込んでいると、崩れ落ちる間際だった細い身体は、大きな手に軽々と引き上げられていた。
「や…っまだ、むり…」
 切なく眉を寄せる炯の、掠れた悲鳴。しかし鷹谷は何も言わず、精で汚れた口元を拭っただけだ。てっきりこのまま、鷹谷のもので中を突き上げられるのだと思っていた炯は、何度かまばたきをして上目遣いに鷹谷を見つめた。どうした、とどこか優しい気さえする鷹谷の表情。炯はそのまま彼の指に舌をのばし、悪戯っぽくぺろりと舐めてみる。労わるように拭ってくれたのが、嬉しくて。
「ありがとうございます」
 ふふっと笑う炯に、鷹谷が口の端を吊り上げた。優しいなどとは、到底言えないその笑み。どきっと震えた鼓動に従い、慌てて鷹谷から離れようとする。
「炯?」
 不思議そうに二人を見ていた旭希にしがみついた炯は、射精の余韻さえ見せない鷹谷を引きつった顔で振り返った。
「絶対イヤですよ」
「私まだ何も言っていないが?」
「言わなくてもわかります!あなたがそういう顔してるとき、何する気か知ってますから!」
 やだやだと、抱きついてくる炯の背中をさすってやりながら、一人なんのことかわからない旭希は首を傾げている。
 鷹谷はいつもの面白がるような人の悪い表情で、ベッドサイドに置いてあった小さな箱を取り上げた。煙草の横に置いてあったそれは、旭希もさっきから気になっていて。見覚えのあるパッケージなのだが、鷹谷には似合わないし、炯などは好んで手を出すはずがないもの。


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