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[Novel:03] -P:05-


 熱くなってしまっている股間を撫でながら言うと、宏之の頬にかあっと血が昇った。
「…な…二階堂さんと、なんの話を…」
「ナニの話?」
「おい!」
「稽古のコトは心配しなくていいから、仲直りHならヤリたいだけヤっちゃいなさい。とかゆー話」
 にやにや笑う。宏之は軽く晃の額を叩いた。
「明日、どんな顔して稽古出ろって?」
「いいじゃん。朝までヤリ過ぎで疲れてますって顔してれば?」
 呆れて起き上がろうとする宏之を許さず、床に押し付けたままジーンズの前を開いた。制止する暇もないほど手際よく宏之の欲望を掴み出し、口の端を吊り上げる。
「つーか、その気じゃん」
「いちいち言わなくていい!」
「なに、いまさら照れてんの?あんまカワイイこと言ってると…食うよ?」
「食うって何を…って、コウ!」
 宣言通りぱくりと咥えられ、あんまりの視覚的な暴力に宏之が顔を背ける。
「も、勘弁してくれ」
 晃からすれば三年も一緒に暮らしていて、まだ照れなんか残っているのか?と思うところなのだが。見せるなと顔をそむけ、目を隠すように腕を置いてしまった宏之がかわいくて。しかも耳の先が赤くなっているのを発見してしまったら、ぞくっと背筋に震えがきた。

 根元から舌で舐め上げるだけでも、それは大きく形を変えていく。舌先でくすぐり、ぺたりと貼りつかせて何度も擦っていると、頭の上で熱い溜息が聞こえた。
 ちらりと視線を上げる。
 薄く開いた唇を震わせて、宏之が堪えている。そんなにも感じさせているのが自分なのだと思うと、いま舐めているものを受け入れる予定のところが、濡れるはずもないのにじゅっと濡れていくような錯覚に陥った。
「なあ、気持ちイ?」
 聞いても、答えられる筈がなくて。
「っ……!」
 でも答えてくれないからと、嫌がらせのようにじゅぶじゅぶわざとらしい音をたててしゃぶってやった。
 宏之が少し背中を仰け反らせる。唇を噛んで声を堪えているのが、ひどく艶めかしい。
 艶めかしいとは思うけど。いい加減イカ せてやろうと口を離し、先走りと晃の唾液で濡れているそれを、指先でつーっとたどってみる。
「く、ぁっ」
 執拗に耐えようとして、震えている。
「…まあ、ヒロユキがオレの口ン中でイクの、あんま好きじゃないのは知ってんだけどさ」
 どうにも無理を強いているよな気がして、抵抗があるのだといつか言っていた。
「たまには飲ましてくれてもいいじゃん」
「コウ……」
「オマエはいっつも飲んでんだから。たまにはオレにも飲ませろよ」
 まるでそれは、酒の話でもしているような明るい口調。
 腕をはずし、どうしたものかと困惑気味のワンコは晃を見上げる。うっすら目の端に浮いた光るものが、感じすぎた末の涙だと知って、馬乗りになっていた少年はにやりと笑った。
「な、に?」
 なにしろこの少年、少年なのは見た目と詐称年齢だけなので。

 がばっ!と。音がしそうな勢いで上半身を伏せたかと思うや否や、完全に気を抜いていた宏之の、限界ギリギリなものは深く咥えられてしまった。
「な……!」
 強く締め付けながら引き抜き、先を咥えたまま晃の親指が強い力で裏側を擦り上げる。
 引き離そうと茶色い髪を掴んだ手は、急速に押し上げてくる快感をやり過ごすことが出来ずに、引き寄せるような形で止まってしまって。
「ぅ、ぁあっ!コウッ!」
 びくびく震えるものから注がれる、苦い甘いどうしようもなく愛しいもの。嚥下するゴクリと生々しい音が、静かな部屋にはやけに響いた。
「ん、んんっ…はっ…あ」
「ゴチソーサマでした?」
「っ~~…オソマツサマでした!」
「いやいやご謙遜を。大変結構なお手前で」
「それはこっちのセリフだろ!」
「そ?オレ上手かった?」
 悪びれた風もなく、ぺろりと舌を出して笑う。信じられない、と真っ赤になったままの宏之が身体を横にして唸っている間に、ごそごそ何かを探しに這って行った晃は「あった」と嬉しそうに呟いた。
「なに?」
「コレ」


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