【Lluis×TheoA】 P:09


 顔を背けようと、身体を捩ったテオの中から、リュイスのものがずるりと抜けていく。途端に溢れて太腿を伝ったぬるい感覚にぞわっと背筋を震わせ、テオは眉を寄せた。

「そんなに嫌そうな顔をすることもないだろう?」
「うるさいっ」
「私に犯されて気持ちよくイッたくせに」
「うるさい、うるさい!僕は…っ」
「ただの淫乱、だったな」

 ぴしゃりと言い放って、リュイスはテオの腕を掴み、ようやく抜け出した診察台へと連れ戻してしまう。
 しかし今度は手を縛ろうともせず、小柄なテオの身体を折り曲げるようにして押さえつけた。

「淫乱は淫乱らしく、足を開いてよがっていればいい」
「や、め…っ!やだあっ!」

 どんなに暴れようとしても、力ではリュイスに敵わない。胸に膝がつくような体勢で捕まえられたまま、足を開かれ後ろを探られる。
 いやらしく吊り上ったリュイスの口元が、からかうようにテオの足の付け根に吸い付いた。

「もっとして下さい、と腰を振るまでやってやるよ」
「バカにするな!」
「どうだかね…見ものだな」

 舌を捩じ込んだリュイスは、音を立ててそこを吸い上げる。それだけでテオの心を裏切り、身体は歓喜に震えた。

「ああっ!いやあッ!」

 両手で顔を覆っていてもわかる。
 どうせリュイスは面白がって、笑っている。

 こんな男に、身体ごと懐柔されたりしない。絶対だ。
 取り縋って快楽を求めた先刻の自分を憎んで、テオは自分の腕に歯を立てた。いくら快楽に翻弄されても、もう自分の口から甘ったるい声が唇から漏れることさえ、許せない。

「ぅ…ふ、く…っ」

 じゅぶじゅぶ音を立ててそこを啜りながら、リュイスは長い指を差し入れてくる。とっくに知られてしまった弱いところに緩慢な刺激を与えられ、テオは身体を強張らせた。

「足りないだろう?テオ」

 嘲りの言葉に、必死で首を振る。

「もっと太いもので擦られないと、物足りないんじゃないか?ここはもう泣いて欲しがっているのにな」

 熱いものを期待して溢れている、テオの先を指でつついたリュイスは、息を吐きながら髪をかき上げた。それは汗に濡れてもさらさらと肩から零れてくる。
 テオの足に、プラチナグリーンのきれいな髪が触れた。

「んんっ!んーっ!」

 急にびくびく痙攣でもするように反応したテオを見つめ、わずかに首をかしげたリュイスは、声を漏らすまいと歯を立てていた、テオの腕を取り上げてしまう。

「あ、あっいや…ち、ちがうっ」
「ふうん」
「ちがう、やめろ!」
「私の髪が、そんなに好きか」