顔を背けようと、身体を捩ったテオの中から、リュイスのものがずるりと抜けていく。途端に溢れて太腿を伝ったぬるい感覚にぞわっと背筋を震わせ、テオは眉を寄せた。
「そんなに嫌そうな顔をすることもないだろう?」
「うるさいっ」
「私に犯されて気持ちよくイッたくせに」
「うるさい、うるさい!僕は…っ」
「ただの淫乱、だったな」
ぴしゃりと言い放って、リュイスはテオの腕を掴み、ようやく抜け出した診察台へと連れ戻してしまう。
しかし今度は手を縛ろうともせず、小柄なテオの身体を折り曲げるようにして押さえつけた。
「淫乱は淫乱らしく、足を開いてよがっていればいい」
「や、め…っ!やだあっ!」
どんなに暴れようとしても、力ではリュイスに敵わない。胸に膝がつくような体勢で捕まえられたまま、足を開かれ後ろを探られる。
いやらしく吊り上ったリュイスの口元が、からかうようにテオの足の付け根に吸い付いた。
「もっとして下さい、と腰を振るまでやってやるよ」
「バカにするな!」
「どうだかね…見ものだな」
舌を捩じ込んだリュイスは、音を立ててそこを吸い上げる。それだけでテオの心を裏切り、身体は歓喜に震えた。
「ああっ!いやあッ!」
両手で顔を覆っていてもわかる。
どうせリュイスは面白がって、笑っている。
こんな男に、身体ごと懐柔されたりしない。絶対だ。
取り縋って快楽を求めた先刻の自分を憎んで、テオは自分の腕に歯を立てた。いくら快楽に翻弄されても、もう自分の口から甘ったるい声が唇から漏れることさえ、許せない。
「ぅ…ふ、く…っ」
じゅぶじゅぶ音を立ててそこを啜りながら、リュイスは長い指を差し入れてくる。とっくに知られてしまった弱いところに緩慢な刺激を与えられ、テオは身体を強張らせた。
「足りないだろう?テオ」
嘲りの言葉に、必死で首を振る。
「もっと太いもので擦られないと、物足りないんじゃないか?ここはもう泣いて欲しがっているのにな」
熱いものを期待して溢れている、テオの先を指でつついたリュイスは、息を吐きながら髪をかき上げた。それは汗に濡れてもさらさらと肩から零れてくる。
テオの足に、プラチナグリーンのきれいな髪が触れた。
「んんっ!んーっ!」
急にびくびく痙攣でもするように反応したテオを見つめ、わずかに首をかしげたリュイスは、声を漏らすまいと歯を立てていた、テオの腕を取り上げてしまう。
「あ、あっいや…ち、ちがうっ」
「ふうん」
「ちがう、やめろ!」
「私の髪が、そんなに好きか」