【Lluis×TheoA】 P:10


 感心して呟くリュイスの言葉に、テオは首を振るけど。もうそんな抵抗では、否定できないだろう。
 確かにこの緑の髪は、昔からテオの憧れだった。
 きらきらとしたプラチナグリーンの髪に、子供の頃からずっと触れてみたかった。
 でもまさか、今になってそんな憧憬に惑わされるなんて、テオ自身も思っていなかったから。

「可愛い反応をするじゃないか」
「やめろリュイス!いやだっ」
「お前の欲しいものばかり与えてやる私は、優しい男だと思わないか?これでは拷問になどならないな」

 言いながらテオの中に押し入ったリュイスは、長い髪を垂らしてテオの頬に触れさせる。

「あ、あっ!ああっ」
「素直に感じていれば、痛い思いをせずに済むんだよ」

 甘くそそのかす言葉に首を振り、逃げ出そうともがきながら、テオはまたリュイスに犯されてしまう。
 それでもさっきのような、酷い暴力ではないことに、心のどこかが安心していた。
 怒り狂うだけの暴力は、テオという目の前の存在を切り捨てているようで、それは殺されるよりもずっと悲しかったから。

「や、あ!ああっ」
「っ…テオ…」
「あ…あ、ぁ…」

 絶頂に追い詰められ、疲れ切ったテオの心がゆっくり沈んでいく。
 ぐにゃりと力の抜けたテオを抱えるリュイスは、もう少年が気を失ってしまったと思ったのだろう。そっと自身を引き抜き、額に口付けた。

「テオ…もう諦めなさい…私はお前を手離したくないんだ…」

 囁く言葉に、その声に、何か大切なものが隠されているように思ったけど。
 テオは目を開けることもできず、意識を手放してしまった。
 
 
《ツヅク》