余計なこと言わなきゃ良かった。想像できない。
しばらく笑っていた蓮は、僕の身体をひっくり返して、腰を高く抱え上げた。
「今は俺を感じることに、集中してろ」
「あ…あ、も…れんっ」
「どうした」
「や…ねが、い」
「何を?」
ほらもう……こういう時の蓮は、いつもの優しい姿が信じられないくらい、意地悪なんだから。
枕に抱きついたまま、腰を掴まれてる。蓮の熱いの、お尻に擦りつけられて、僕は震えながら頭を振った。
「やだ、ぁ…や、いじわる、しないでっ」
「随分な言い様だな。俺ほど優しい男はいないだろ」
「…ねが…っはやく」
「千歳」
「いれて…っ!中、入れてよぉ…っ」
僕が観念してそう言うと、蓮はいきなり奥まで僕を突き上げた。
どうしよう、すごい、今日の蓮、激しい。
身体を揺さぶられるぐらい、強く突き上げられる。息も絶え絶えに声を上げる僕は、もうすでに何も考えられない。
「あっあっ、あ、んっ!」
「っ…千歳」
小刻みに中をかき回されて、ゆっくり抜いていく。嫌がって首を振る僕が何を言うより早く、蓮はまた繋がりを深くして、身体が密着するぐらい奥を抉る。
何度も何度も、そうやって僕を翻弄しながら、蓮は快楽を与え続けるんだ。
「あぁっ!は…っ、ぁんっ!れん…ダメ、やあッ!イク、も…イクッ」
「イケよ、何度でも」
「あ、ぁ…あっ!」
蓮に促されるまま、一人で先にイカされてしまった。
ほんと、信じられない。僕は蓮とこうなる前、どうやって寂しさを紛らわせていたんだろう。
全然思い出せないんだ。こんな快楽を知らず、自分に熱があることさえ忘れていた。
蓮は素早く自分のものを抜いて、ぼくの身体を反転させると、今度は向き合う形で貫いた。
「ああっ…ひ、ぁ」
「気持ちいいか?千歳」
「ん…うん、きもち、い」
こうされるのが一番好き。蓮の顔を見て、蓮の背中に抱きついて。彼も感じてくれてるって、実感する。
少し細くなった蓮の瞳。落ちてくる汗とか熱い息とか。全部愛しくてたまらない。
「愛してるよ、千歳」
「れ、ん…あぁッ…して、もっとしてッ」
「お前の望むことは、全部叶えるさ」
ふっと息を吐いた蓮に、ぎゅうっと抱きしめられる。自分の中で蓮がイッたんだってわかったら、幸せでどうしようもなくて。
不安で苦しかったことも、泣きたいくらい辛かったことも、それが幻だったみたいに、僕の中から洗い流されていった。
《ツヅク》