惺の艶めかしい媚態を見せ付けられて、怒張している俺のもの。痛いくらいだけど、まさかこのまま惺を引き裂いたりしないよ。
顔を背ける惺の頬が、僅かに赤く染まってる。怖くなった?それとも、続きが気になるの?
もうどっちでも、良くて。
俺は惺の膝に手を入れると、無理矢理身体を折り曲げさせた。
こうしてたら惺の恥ずかしいところ、全部見えるから。真っ赤になってしまった惺が、嫌なのはわかってるけど。俺は全然やめる気にならないんだ。
これからされることに怯えて、ひくひくしてるところも。辛そうに眉を寄せて、首を振る惺の顔も。
「…全部、見えるよ」
「っ、ふ…!なお…っ」
「力抜いててね、惺」
「やめ…っ」
「気持ちよくなったら、自分でしてもいいよ。俺、惺が自分でしてるとこ見たい」
「馬鹿なことを!やめなさいっ!」
命令されたって俺にはやめる気なんか、微塵も起こらない。惺の後ろにちゅって吸い付いて、中へ舌を伸ばした。
「直人!馬鹿な真似をするなっ!」
だってしないと、惺に怪我させるじゃない。舌を差し入れて自分の唾液を流し込みながら、俺は惺の顔を見てた。
ああ惺、俺わかっちゃった……
「初めてじゃ、ないんだね」
責めるつもりで言ったんじゃなかったんだけど、惺の顔が泣きそうに歪んだのを見たら、ちょっと後悔した。
俺だって初めてじゃないんだから、お互い様なのに。ごめんね。
俺なんか、興味本位で誘われるまま女の子抱いたときでも、ずっと惺のことを考えてた、最低の奴なんだ。
びくびくしてる太腿を優しくさすって指を挿し入れ、中を探る。
惺の気持ちいいところ、指を抜き差ししながら探してみる。
狭くてきついけど、惺は本能的に身体の力を抜いて、痛みを逃がしてる。そんな慣れた仕草が俺を傷つけたけど。
でも、そうだね。
惺みたいに綺麗だったら、おかしくはない。誰だってこの身体が欲しいって思うんじゃないかな。そのうちの誰かが、惺を抱いたんだね。こんな風に、男を受け入れることに、慣れてしまうくらい。
……その人にはもっと甘い声で鳴いた?
だったらさ、俺が初めての相手じゃなくたって、構わないから。
「飼い犬に噛まれたとでも、思っててよ」
「やめ…っ、あ、ああっ」
どんどん熱くなる身体と、反対に冷えていく頭は、どっちも正気じゃない。
俺はきっと、狂ってるんだ。
ただ惺と繋がりたくて、他のことには気持ちが回らない。
中を舐めて、指を増やして。少しずつ、深くしていって。惺が首を振って嫌がるの、ずっと見てた。
目尻に涙が浮かんでる。辛そうに、眉を寄せてる。
切なく喘ぎながら、俺の名前を呼んで、やめろって何度も何度も訴えてる。そんな惺の掠れた声が、いっそう俺を煽るんだ。
ゆっくり中を弄ってた俺は、惺がひくっと喉を鳴らして動きを止めたところで、指を止めた。
「…ここ?」
「あ…あっ、あ」
「ここ、イイの?」
「やめ…いやだ…っ」
俺の唾液でぐちゅぐちゅ音がしてる。俺は同じところを何度も擦り上げた。
「ああっ、あ、っ…や、やめっ」
明らかに惺の声が変わった。甘い響きを聞いてたら、俺はもう我慢できなくなる。
さっきイッたばかりの惺のものが、もう一度固くなってる。俺はそれに手を添えて、中へ押し込んでた三本の指を引き抜いた。
「惺…入れるよ?」
「な、お…なおと…」
「ん?…なに?」
「なお、と…」
惺の目に、涙が浮かんでる。焦点が定まってなくて、きっと意識が朦朧としてるんだろうなってわかった。
名前、呼んでてね。惺?
俺は自分をあてがって、惺の手を掴んだ。指を絡めて握ったら、僅かな力で惺が握り返してくれる。
……ねえ、誰かと間違ってるの?
それとも少しは、俺を受け入れてくれる気になった?
「息…吐いてて」
「あ…あ、んっ…あ」
ゆっくり身体を進めて、俺はようやく惺の一番深いところに、自分を受け入れてもらった。
「ひっ…!あ、ああっ!やああっ」
「っ…せ、い」
入れてすぐは、気持ち良くもなんともなくて。ただ痛いばっかり。でもそれは、惺の痛みを俺も感じてるってことだ。
悲鳴を上げる惺は、本格的に意識を飛ばしてるみたいで、無自覚なまま俺にすがり付いてくる。
きつく俺の手を握って、繋いでない手で俺の肩に縋り、爪を立ててる。
爪を立てられ、引っ掻かれたって、俺はその手が愛しかった。
「なおと、なおっ!い、ああっ!」
うん。そうやって、俺の名前呼んでて。
誰でもなく俺を呼んでてくれるなら、いくらでも待ってあげるよ。
「惺…」
額に口付けた俺は、惺の涙を舐めてあげながら、痛みに萎えてるものを握った。
上下に擦って、少しでも痛みを散らすために新しい快楽を注ぐ。
「あ、ああっう、やっ…あっ」