「あ…あ、あ…ああっ」
見開いた目から涙を零し、テオは身体を震わせる。
十七歳にもなれば、さすがに自分で欲情を処理したことぐらいあったけど。元々性的なことに興味が薄かったし、それにこんな、一方的に与えられる傲慢な快楽は、テオの知っているものとは全然違う。
「嫌がっている割には、気持ち良さそうだな、テオ?」
「ちがっ…なん、で」
いますぐ逃げ出したいくらい嫌なのに、リュイスの手の中でテオのものは、確かに熱を持ち固くなってきている。
恥ずかしさと嫌悪感で、自分が命に関わるほど深い傷を負っていることも忘れ、テオは激しく暴れた。
縛り上げられている手が、ぎしぎしと音を立てている。
「触ってもいないのに、こんな所まで勃ってるじゃないか。淫らな身体だな」
言いながら顔を伏せたかと思ったら、にやけた口元が胸に吸い付いてくる。確かにリュイスの言うとおり、そこは固く頭を上げて、新しい刺激を待っていた。
カリ、と歯を立てられ、テオはあっけなくリュイスの手の中に果ててしまった。
「ぅ、く…あ、あぁ」
「堪え性のない」
「や…も、やめ」
「何を言ってる。お前を喜ばせるためにしているわけじゃないぞ?」
テオを見下ろし、リュイスは髪をかき上げた。美しい魔族の顔に浮かぶ、残酷な笑み。一度も見たことのないリュイスの表情に、テオは竦みあがった。
王国一の剣豪と謳われたのが信じられないくらい、きれいな造形の指の長い手。テオの足首からゆっくり撫でるそれは、再び恥ずかしいところを暴こうとしている。
「い、や…いやだ!いやあっ」
「喚くな、うるさい」
「やめろリュイス!貴様こんなことをして何が楽しいんだっ」
「十分楽しいさ。お前がそうやって、必死に嫌がるところなんか。最高に滑稽だ」
くっと喉の奥で笑ったリュイスは、無理やりテオの身体を折り曲げてしまうと、わざわざ見えるようにして割り開いた後ろに舌を差し入れる。
思いもしなかったリュイスの行動に、目を見開いていたテオは、濡れたものが押し入ってくる感触に背中を逸らせ、きつく目を閉じた。
「やだぁっ!いや、いやーっ」
でも、どんなに首振って嫌がってもリュイスは止まらない。十分に濡らしてから指を差し入れ、テオの弱い部分を敏感に探り出す。
今まで味わったことのない、直接的な射精衝動。テオは自分の手に爪を立て、千切れそうなほど首を振っていた。
「ああ!や、あァッ」
「勝手にイッてろ」
制御の利かないものが駆け上がる。テオの意思に関係なく、身体はリュイスの指に絡み付いて、もっと擦って欲しいととせがんでいる。