本当に、自分はどうなってしまうのだろう。これから続く一人ぼっちの夜、何度泣けばいいのか。
「テオ?」
切なくてどうしていいかわからない様子に気付いたリュイスは、自分のものを咥えているテオを、そうっと引き離した。
「どうした」
「ふ…く、っ…リュイス様…」
「ん?」
「寂しいです…寂しい…」
「テオ…」
「一緒に行きたい…ずっとそばに、いたいんです…」
もう、何もいらない。
ラスラリエも、クリスティンも、どうでもいい。この綺麗な緑の瞳に、ずっと寄り添っていたい。
泣きじゃくるテオを見つめて、リュイスは困った顔で笑った。
「そう言うな。連れて行きたくなるだろ」
「連れてって…下さい」
「テオ」
「もうやだ…一緒にいたい…」
「お前…」
「一人にしないで…置いていかないで…」
ぼろぼろ涙を零して訴える。
ふいに真剣な顔になったリュイスは、テオを引き寄せて自分に跨らせた。
「ゆっくりでいい。身体を下ろしなさい」
導かれるまま、テオは身体を下ろしていく。自分で解していたそこは、思ったより柔らかく、リュイスを受け入れた。
「あ、ああっ…あ、あ」
「そう、ゆっくり…奥まで私を受け入れてくれ」
「んんっ、ぁ…あ」
身体の深いところまで挿し入れられるのは、苦しかったけど。テオはリュイスにしがみついて、それに耐えていた。
なんとか最後まで受け入れ、リュイスを間近で見つめる。
「入っ…た…」
「ああ。いい子だ…上手く出来たね」
「ん…リュイス様」
誇らしげに微笑んで、テオはリュイスの肩に頬を寄せる。褒めてくれるみたいに背中を撫でる、大きな手が温かい。
テオはリュイスの長いプラチナグリーンの髪に指を絡め、熱い息を吐き出した。
「テオ…」
囁くように名前を呼ばれて、テオは預けていた身体を起こし、リュイスの顔を覗き込む。彼は額をテオにくっつけると、甘い声で「行こうか」と呟いた。
「え…?」
「一緒に行こうか、テオ…誰もいない、どこかへ」
「リュイス様…」
「国も仲間も、全部放り出して。二人でどこか、誰も知らないところへ」
「…一緒に?」
「そう。一緒に」
「ずっと貴方のそばに、いられる?」
「いられるよ」
「…どこへ?」
「さて…ここじゃないなら、どこでもいいさ。海を越えて大陸を渡って、言葉も通じないような、知らない町で暮らすんだ」
優しい嘘を紡ぐリュイスの表情。柔らかく笑っているのに、深い緑色の瞳は切ない色に染まって、悲しげにさえ見える。
テオは目を閉じると、リュイスの首に手を回して、ぎゅうっと抱きついた。