【Lluis×TheoG】 P:09


 中へ入ったままのものが、火照った内壁をぐりっと擦った。思わず悲鳴を上げたテオの胸に頭を押し付け、リュイスはくぐもった声で、唸るように「お前を連れて行きたかった」と告白した。

「リュイス、さま…?」
「この王宮にお前を残したことだけが心残りだった。どんなに危険な道行きでも、お前を置いてくるのではなかったと、何度後悔したか知れない」
「あ…」
「軍と戦うたび、お前の姿を探していた。ようやく再会できたら…あまりにお前が可愛くて。こんなにも愛しく思っていたのかと、驚いた…」
「…嬉しい」

 縋りついてくるリュイスの髪を撫でながら、テオがうっとり呟いた。伏せていた面を上げ、リュイスは真剣な瞳でテオを見つめる。

「もっと泣かせて、もっと甘えさせて、お前が私以外の何も考えないようにしてしまいたい」
「リュイス様」
「愛している、テオ…愛しているよ」

 熱っぽい言葉に、テオの瞳から溢れた涙は、リュイスの頬に落ちていく。何も言わずただ頷いた。
 追いかけるばかりだった遠い日も、陵辱されて恐怖に震えた過去も、全部テオの中で崩れていく。胸に残るのはリュイスの熱い囁きと、身体だけ。

 緩やかに突き上げられ、テオは顎を上げて啼いた。

「ああっ…は、ぁ…あっ」
「テオ…テオ」
「っと、もっとして…リュイスさま」

 甘い声に請われるまま、リュイスはテオの身体を揺らす。ぐちゃぐちゃに掻き回されながら、テオはリュイスに縋った。
 何度も何度も、身体が動かなくなるくらい。ずっと身体を繋いだまま、二人は快楽の果てを探す。
 そこに何があるかは、わからない。
 でも、それでも良かった。月が永遠に沈まなければいいと祈りながら、テオはリュイスの想いに善がり狂って。
 とうとう意識を失い、逞しい腕の中に堕ちてしまった。