【Will x Leff K】 P:12


「ひ、んっ…ぁ…ああ…」

 溜め息のような艶声。満足そうに微笑みながら、レフの髪に口付けて。敏感になっている肌を、ウィルは柔らかく撫でていった。

「賢護石の身体に一番詳しいのは、オレだからね」
「ウィ、ル…もう…っ」
「ダーメ。こんな状態で傷なんかつけたら、大変なことになる。もう少し、我慢して?」

 賢護五石の身体は外傷に弱い。今のレフは傷を負っても、それを認識できないだろう。だからウィルは執拗に、そこを柔らかく開くのだ。
 しかし、もう無理だと髪を揺らしているレフは、恥も外聞もなく早く入れて欲しいと訴える。弄られている後ろは、レフの吐き出したものとウィルの唾液に濡れて、確かな繋がりを求めひくひく蠢くのだ。
 それなのにウィルは、あっさりそこから離れ、胸の突起を強く抓った。
 レフがひくんと身を震わせる。

「ぁあ…んっ、ぁ」
「起すよ」
「え?…ぅあっ」

 いきなり腕を引かれて抱き起こされたレフは、背中をウィルの胸に押し当てられ、彼の膝に乗せられたまま、大きく足を開かれた。

「やめ…っ!こんな、かっこ」
「大丈夫だって。オレからは見えない見えない」

 平然と言いながらウィルは膝を立てる。それでレフの足を押さえてしまい、閉じることを許してくれない。
 いくらウィルからは見えないと言われても、この体勢ではレフ自身に、自分の痴態が丸見えだ。

「も、やだぁっ…!」
「そんな可愛い声で言わないでよ。どんどん酷いことしたくなる」

 自分の後ろに、長い指が入っていく。何度か中を擦っては指を増やされ、驚くほどそこが大きく口を開けている。
 
収縮を繰り返し、切なげにウィルのものを待っているのだ。目の前の恥ずかしい情景に、レフは唇を噛み締めた。

「や、あっ…はやく、ウィル…!」
「ダメだって。レフ…オレがどんなに我慢してるか、わかってんだろ」

 溜め息交じりの言葉を証明するように、レフの腰の辺りにはウィルの昂ぶりが押し付けられていた。どんどん熱くなるそれは、確かに彼がどんな苦痛に耐えているか、レフに訴える。
 しかしウィルの興奮を感じたことよりも、レフは別の刺激を受けて、耐え切れずにびくんと身体を震わせた。

「っ!…ばか、耳元で喋るなっ」

 首を振って嫌がりながら、レフはウィルに捕まっていた手で耳を押さえた。何事かと首を傾げたウィルが、にっと意地悪く笑う。

「ふうん…」
「ウィル、やめ」

 気付かれたことがわかって、逃げ出そうしたけど。逃がしてくれるはずもなくて。
 ウィルは片手で、強引にレフの手を引き離した。

「そんな好き?オレの声」
「あっ…あ、ああっ…ちが」
「愛してるよレフ…オレが欲しい?」

 ことさら低い声が、直接耳に流し込まれている。それはまるで媚薬のように、レフの身体を駆け巡った。
 耳朶に唇が触れている。弄ぶように舌先が耳の端を舐っている。
 レフは泣きながらウィルの膝を掴んで、顎を仰け反らせた。