「あ、あっ…あっ」
「ほら、もうこんな柔らかい…オレの唾液と貴方の出したもので、ぐちゃぐちゃに濡れてるね…たまらないんだろ」
「や、やだあっ…いうな…いわない、で」
低音の囁き声が、じんじん腰の辺りに響いてたまらない。ウィルは面白がってやっているとわかっているのに、もっと囁いて欲しくて、身体がいうことを聞かなかった。
レフの瞳から、とめどなく涙が零れ落ちていく。
「可愛いね。ここにオレのを入れて、オカシくなるまで掻き回してあげるから」
「ウィル…ウィル…だめ」
「ダメじゃない。大丈夫だよ、こんなにぬるぬるしてるんだから。やらしいな、レフは」
「やああっ…」
精を吐き出したばかりの前が、また固く熱くなってしまう。隠すように自分の手で覆ったら、その刺激に意識が飛んでしまいそうになった。
レフは慌てて手を引こうとしたのだが、それより早く、ウィルがレフの手を上から掴んだ。
「ウィル…っ!」
「手伝ってあげるから、自分でしなよ」
「な…何を馬鹿な、ことっ」
「そう?…上手に出来たら、オレのを入れてあげるから」
「っ!…や、ぁっ」
「ほら自分で擦って。イッて見せて」
甘い声に誘われ、レフは促されるまま自分のものを華奢な手で握る。躊躇いながらそれを上下に動かした。
「ああ…いいね、レフ…上手に出来てる」
褒める言葉をかけながら、ウィルはすでに見つけ出していたレフの弱い所を指先でつつき、耳朶を噛んで胸を摘まむ。きゅっと痛いくらい抓られたら、もう止まらなかった。
「あ…あっ、ああっ…アアッ」
堪えようとしても、自分のものを掴んだ手は、どんどん早くなっていった。背中をウィルの胸にすり寄せ、いっそう足を大きく開いて。そんな自分を詰るように、髪を横に揺らせる。
さっきよりも抑えが利かない。自分の手でしているからこそ、加減が出来ない。
「やっあ、んんっ…ああッ!!」
細い指が濡れていく。もう力なんか入らなくて、レフはぐったりとウィルに身体を預けてしまう。
脱力した身体をそうっと寝かせ、ウィルはレフの髪を撫でた。
「よく出来ました」
「うぃ、る…」
かけられた言葉に、思いのほか心が震えていた。
遠く、近く、何度も聞いた言葉だ。ウィルがクリスによく囁く言葉。
耳にするたびイライラしていたが、もしかして自分も言われたかったのだろうかと思うと、頬に血が上った。
「レフ?」
「…約束、だからな」
悔しくて、強気に言ってみる。幸せそうに微笑んだウィルは、レフを見つめたまま頷いた。
「レフとの約束は、必ず守るよ」
「ん…」
「そのまま力、抜いてて」
とっくに固く熱く屹立していたものが、レフの後ろに押し当てられた。
リュイスに「ウィルが男だということを気にしていない」と指摘されたが、確かにそうだとレフはぼんやり考える。
ウィルと自分は同じ男で、こういう関係になれば、どちらかが受け入れなければならない。経験などないはずなのに、レフは自分が女として扱われることに、少しも疑問を抱かなかった。