痛いままでいい。一度千夏の中で出せたんだから、もう満足してる。
どんなに辛くても、千夏が受け入れてくれた。それだけでこんなに幸せだ。
何度も口付けながら、ぎゅうっと千夏の身体を抱きしめて、汗で濡れた髪を撫でてやる。
頑張ってくれてありがと。俺、今までで一番、千夏の近くにいる。
「タケル…」
「うん」
「タケル…うれし…」
涙に掠れてる声。それを聞いてるうちになんか、満足していたはずの俺のものは、また固くなっていた。
「んんっ…やっぁ…待って」
「あっ…ごめん、俺」
「ちがっ…ま、てっ」
「…千夏?」
さすがに抜こうと思った俺を千夏が引き止める。それからちょっとずつ、締め付ける力が緩んできた。
「…待って…もう少し」
「え?」
「動きたい、だろ?…もうちょっとだけ、待ってて」
ゆっくり長く、千夏が息を吐いてる。
俺は首を振って、もういいよって言おうとしたんだけど。柔らかくなっていく中がリアルになってくると、かあってまた血が上った。
「あ…」
「ご、ごめんっ」
「おっきく、なった」
ふふって笑ってる。千夏は繋いでいた手を解き、俺の髪をかきまわした。
「ん…タケル、いいよ」
「でも、ムリだよそんな…俺はいいから」
「なんで?オレまだイッてねえじゃん…もう大丈夫だから…動いて?」
微笑みを浮かべて俺を許してくれる千夏に口付けた。どうしよ……やっぱ、我慢できないみたいだ。
「…いいの?」
「うん」
頷く千夏に甘えて、身体を起こした。
際限なくそこに熱が集まっていく。溜め息が零れた。
「敵わないな、千夏には」
「当然。でも…ゆっくり、な?」
「了解」
笑いあう。言われた通りゆっくり身体を引いて、同じだけゆっくりと押し付ける。
俺の出したものが潤滑剤になって、動きを手伝ってくれるせいか、千夏はさっきほど痛がらなかった。
「あっあ…あんっ」
「千夏…」
気持ち良さそうに自分の唇を舐めてる千夏が、艶めかしい。やらしい顔、してる。
俺が身体を引くと、千夏の後ろが切なそうに追いかけてくるんだ。それで、すぐに深くしたら、痛がってきゅうっと締まる。
ああ、やばい……気持ちいい。
「…千夏、千夏…」
「あっ…あ…ん、ああっ」
俺とは違って何でも出来る千夏。
年上で、しかも男で、家も立場もなにもかも違うのに。なのに今は、同じ快楽を味わってる。
浅ましいと思ってた俺と、同じようにいやらしいことで、いっぱいになってる。そう思ったら、たまらなかった。
どんどん抽送のスピードが上がる。もう自分じゃ止まらない。
「ひぁ…ああっ…あぅ、あんっ」
「千夏、いい?気持ちいい?」
「いいっ…タケル、たけるぅっ…ああっ」
濡れたものが擦れ合ってるみたいな、ぐちゅぐちゅした音がしてる。身体を揺すぶるたびに、千夏は啜り泣きながら喘いでいた。
せり上がってくる快感に、脳が痺れて上手くものが考えられない。千夏の甘い声と身体に、どんどん溺れていってしまう。
「いい?千夏…俺、やば…いくっ」
「あ、あぅ!いいっ、イッて!タケル、いいっ…いいっ!オレも、ああっ」
びっくりするぐらいの速さで限界が近づいてくる。千夏も感じてるって、そうわかったらもう、どうしようもなくて。
目の前で震えてる千夏のものを握り、俺は素早く腰を振った。
「ひぁ!ああっ!っく、いくっ!」
「イッて千夏…俺、俺もっ」
「あああっ!!」
張り詰めてたものが一気に弾けた。
千夏の放ったもので手が濡れた瞬間、俺も中に出してしまう。
今度はちゃんと抜いてからって思ってたのに、全然そんな制御効かなかった。
身体中の力が抜ける。折り重ねるように千夏の上に倒れ込んでしまう。
「…はっ…は、ぁ…ご、ごめん俺、中…」
「んんっ…いい、いいから」
こんな凄いと思わなかった。
どうしよう……すげえ気持ちいい。
「タケル…タケル…」
「…うん」
荒い息を吐いてる千夏。
たまんないくらい色っぽい顔で、自分の指をしゃぶってる。
「あ…すご…アツい…中、熱い」
「千夏…」
「タケルの、熱い…やけそう…っ」
息も絶え絶えな千夏の言葉に、かーっと血が上った。
「え…タケル?」
「ごめん。もう一回だけ」
「ちょ、ちょっと待って…まだ」
抜いてあげる猶予もなく、俺のものはどんどん力を取り戻して固くなった。
「あっん、やっ…ちょ、タケル?!」
足りないよ千夏、もっと欲しい。
慌てて逃げようとする身体を許さず、俺はまた千夏を揺すり上げていた。