【南国荘U-O】 P:09


「蒼紀に嫌われたくないんだもん。気付かずに嫌がることしてたら、教えて欲しい。反省するから」

 ね?ってオレが言うと、蒼紀は小さく頷いて。悪戯っぽくオレの目を覗き込む。
 う、わ……そういう表情、初めて見た。なんか色っぽい。

「ぼくが嫌がるようなこと、するの?」
「しない…つもりだけど…いつかするかもしれないし」
「しないよ、虎臣くんは」
「わかんないじゃん」
「しないってば。だってぼくは、虎臣くんにされて嫌なことなんか、思いつかないし」
「そう…かな」
「うん」

 身体の中の血液全部が、ものすごい勢いで駆け巡っているような感覚。
 いいの?そんなこと言って。

「それってさ…蒼紀はオレに、何されてもいいてこと?」

 聞いたらさすがに、そういう意味じゃないって言われるかと思ったんだけど。蒼紀は顔を赤くして、オレの頬に手をあてた。

「…いい」
「蒼紀」
「何されても、虎臣くんならいい」

 引き寄せられるまま、オレは蒼紀の唇を塞いだ。
 舌を差し入れて、蒼紀の口の中を探る。
 最初は歯を舐めたりとか、上顎を舐めたりとか、それなりに冷静だったんだけど。こっちだよっていうみたいに、蒼紀の舌でつつかれた瞬間から、もう夢中になっていた。

「ん、んっ…ふ、ぁっ…んんっ」

 強く吸い付くオレのせいで、蒼紀が苦しそうな声を上げる。それを聞いて離して、でも我慢できなくてすぐに重ねて。
 濡れていく蒼紀の唇が、すごく色っぽいんだ。
 どんどん力が抜けていくのに、いつのまに繋いだ手を離したのか、蒼紀はオレの首に腕を回していた。
 余裕ないなオレ。いつの間にこんな体勢になったんだっけ。
 目を閉じてる蒼紀の顔が幼く見えて、すごく愛しかった。
 蒼紀を欲しがってぞくぞくしてる身体と、いっぱい甘えさせたい優しい気持ちが、オレの中に両方存在していて。だけど不思議なくらい、せめぎあおうとはしない。

「蒼紀、目あけて」
「ん、んっ」
「開けて?蒼紀」

 囁いたら、言われたとおり蒼紀はオレを見てくれる。涙で潤んでるけど、悲しいわけじゃないってわかってる。
 見つめあったまま、また唇を重ねる。
 柔らかい舌がどうしようもなく甘くて、探して捕まえて自分の口の中に引っ張り込むんだけど。オレが離しても、蒼紀は逃げようとしないんだ。
 意地悪して押し戻したら、嫌がってオレの口に舌を入れてくる。首に回ってる手が、足りないんだとでも言うように、オレを引き寄せる。

 自分がそうだから、気付いたのかもしれない。
 蒼紀の身体を肩から下へ、ゆっくり撫でてたどっていたオレは、そうっと唇を離して耳に口を寄せた。

「蒼紀…勃ってる」
「やっ、やだ」
「なんで?オレは嬉しいよ」