【南国荘U-プロットB】


B咲良
南国荘滞在一週間



・自分はゲイだ、と宣言した咲良に、蓮は嫌そうな顔をした。でもそれは、性嗜好に対する嫌悪感と言うより、迷惑がっているように見える。

・お前がゲイかどうかなんて、自分には関係ない。冷たく言う蓮だが、そのままちゃんと、咲良と蒼紀を南国荘の中に案内してくれる。二階の部屋を咲良と蒼紀のために用意してくれていた。

・荷物を置いたら下へ降りてこい、そう言い残して蓮は千歳と一緒に去っていく。仮住まいの部屋をざっと見回して、言われたとおり荷物を置き、部屋を出ると、今日から隣の住人になる蒼紀がおろおろ立ち竦んでいる。陽気に声をかけ、一緒にリビングへ行くと、食事と共に南国荘の住人たちが待っていてくれた。



・咲良は自己紹介と共に、自分がゲイであることも、蓮を愛していることも宣言。しかしそこで知ったのは、蓮に千歳という恋人がいること。

・虎臣を指さして「でも息子ダって言ったヨネ」と聞く咲良に、虎臣が血が繋がっていないことや、母親と千歳が友人でしかないことを教えてくれる。確かに恥ずかしそうにはしているものの千歳も否定しない。

・愛や結婚ってそういうもの?どうにも納得がいかなくて。どう思う?と隣に座っている蒼紀に尋ねてみる。彼は青い顔で何も言わず首を振った。



・実際、この蒼紀という青年のこともよくわからない。いつもなんだかオロオロしていて、苦しそうな表情を浮かべ、黙っている。

・短い期間に口説きまくる咲良から逃れ、蓮が仕事に行ってしまった。仕方ないので榕子から教えてもらった近所の寺へ行ってみようと思った咲良は、もしかして蒼紀が南国荘に閉じこもっていて、息苦しいのかな?と思い誘ってみる。

・イエスもノーも言わずに青ざめる蒼紀。その様子を見て、彼はケガをしているんだから、自分が代わりに行ってやる、と虎臣が立ち上がってくれた。

・少年の気持ちは優しくて好ましいが、それでは意味がない。一緒に行こうよ、と誘う咲良に、蒼紀は全然行きたくなさそうなのに頷いている。

・三人で歩く寺までの道。虎臣は千歳を傷つけるようなことをしないで欲しい、と咲良に話し出す。あの二人は積年の恋をようやく成就させたのだから、と。

・大人びた表情。大勢で話しているときとは違う、静かな口調。虎臣の言葉が、咲良の心を動かした。

・でもやっぱり蓮への想いは消えない。そんなこと気にしている場合か、自分らしくない!と蓮の部屋を訪ねようとした咲良は、千歳と蓮のキスを目撃。邪魔することも出来ず撤退した脳裏には、やはり虎臣がいた。

・口説き落とせないまま迎えた最終日。仕事のついでだと、成田まで送ってくれた蓮に口付ける。押し返されてしまったけど、咲良は満足してギリシャに帰っていった。