F咲良
蓮ちー旅行宣言〜虎臣の自覚
・蓮と千歳の旅行を聞かされたとき、驚きはしたが、深く考えもせず「自分も行きたい」と口にした。でも帰ってきたのは、千歳からの最終宣告。
・まさかおとなしい姿しか見ていなかった千歳が、あんな強いことを言うなんて。もう蓮の愛を疑う余地がない。
・落ち込む咲良の髪を、柔らかく撫でてくれる手。虎臣の優しさがやけに染みた。
・もう諦めるしかないらしい。ぐずぐず悩んでいるのは、自分らしくない。旅に出る蓮と千歳を見送る咲良は、千歳に向かって「楽しんでキテ」と笑った。「イッパイ愛し合って、タクサン甘えてキテ」そう話したら、千歳はびっくりした顔をして、でも柔らかい表情になる。
・「咲良くんがもっとイヤな人だったら、嫌いになれたのに。そんな風だから、僕も不安になったんだよ。お土産買ってくるからね。楽しみにしてて」本当に千歳は素敵な人だ。蓮が愛しているのも頷ける。
・あ〜あ、失恋してしまった。がっくり落ち込む咲良に、虎臣が「オレらもどっか行こうか。アンタ日本に来てから蓮さんのことばっかで、全然観光してないんじゃねえの?」と気遣ってくれる。
・ぱっと顔を上げて「じゃあカマクラ」。明るい咲良の返答に虎臣は、ちょっと苦笑い。アンタほんとに失恋したの?
・学校が休みの土曜に、鎌倉行き決定。木造建築をたくさん見たい。ガイドブック片手にうきうき話す咲良に、虎臣はちゃんと付き合ってくれる。優しい子。しかも視線は蒼紀を気にしていて、そっちのフォローも欠かさない。
・「なあ、鎌倉行くの、二宮さんも一緒でいいか?ケガ治ってないし、あんまムチャして歩き回ったり出来なくなるけど」首を傾げて尋ねてくれる姿が可愛い。なんでも聞いてあげたくなって、頷いていた。
・一緒に行こうよ、という虎臣に、蒼紀は家のことをやらなきゃ、と首を振る。無理したっていいことはない。しかもせっかく虎臣が誘ってるんだから。咲良も一緒に蒼紀を口説いてやる。何事も強引な咲良に、蒼紀は流されてしまった。
・鎌倉での虎臣は、なにかと咲良より蒼紀を気遣っている。怪我をしているし、しょうがないのはわかっているけど、寂しいので「ボクにも構ってヨ。トラオミはボクの見張りするんデショ」と抱きつけば、日本人の割りに虎臣は嫌がらず、でもうんざりした表情。(理子で慣れている)
・蒼紀はといえば、そんな咲良が周囲の視線を集めるのに、おろおろしっぱなし。そんな蒼紀を見ているのも楽しかった。(鎌倉のことはさらっと流すつもり)
・夢中になって観光した鎌倉から帰ってくると、蒼紀はすぐにでも家のことをしようとする。無理だよ、と止める虎臣の言葉を聞かないので、強制終了とばかりに咲良は蒼紀を抱き上げた。
・身を固くする蒼紀をソファーへ運んでしまう。たまにはボクがお茶を淹れてあげよう。蒼紀の仕事は明日から。
・でもむくれた虎臣が「いい!オレが二宮さんのお茶いれるっ」と反論。なんでこんなに怒るの?
・キッチンの虎臣に並んで、何を怒っているの?と聞けば、彼は不機嫌そうに「誰にでもベタベタ触るな、ここはギリシャじゃない」と言う。どうして?自分が抱きつかれるのは平気なのに。素直に聞いたけど、虎臣は返事に窮してしまった。
・「どうしてって言われても…」ちらっと蒼紀を見た虎臣。はっとして、かあっと赤くなって、ばっと視線を逸らせる。ギリシャでも日本でも、恋に落ちる瞬間は同じみたい。
・なんだか余計なことを言ってしまった気がしたけど、いつも大人びた表情を見せる虎臣が、とても可愛かった。