C蒼紀
・三日だけ滞在した咲良がギリシャに帰り、異質なのは自分だけになってしまった。すぐにまた来日するとは聞いたけど。
・忙しく動き回る蓮を見ていて、躊躇いながらも家事を手伝ってみる。あっさり礼を言われて、どうしていいかわからない。
・基本的にリビングかダイニングでおろおろしている蒼紀は、帰宅部のせいで早く帰ってくる虎臣とよく遭遇する。
・何かに迷っていると、必ず虎臣が声をかけてくれた。促されて行動を起こすと、誰かが感謝してくれる。ようやく困惑より嬉しさが大きくなってきた。
・早く仕事を探したいと零した蒼紀に、虎臣はケガが治るまでは仕方ないんじゃないかと言ってくれる。それを千歳や蓮にも話し、同じ答えを導き出してくれた。
・中学生に頼っているなんて恥ずかしいけど、知らない人ばかりの南国荘で、ようやく蒼紀は心を落ち着け始めている。
D蓮
・一時帰国していた咲良が戻り、またしても彼は蓮を口説き始めている。どういうわけか、ギリシャに戻ってパワーアップしたような気さえする。
・鬱陶しいことこの上ないが、陣の息子ではあまり無碍にも出来ない。仕方なくある程度は許してやることに。どうせすぐ飽きると思ったので。
・撮影に同行した咲良が、やけに絵になっていて、なんとなく嫌な気分だ。しかし周囲の勧めがあって、本人も構わないというし、試しに撮ってみると、不本意ながら満足のいく絵が撮れてしまう。
・撮った写真を前に、どうしたものかと悩む蓮の元へ、千歳が帰ってきた。珍しく一人きりの蓮に喜ぶが、並んだ咲良の写真を目にした途端、千歳の機嫌は真っ逆さま。
・千歳を宥める蓮は、彼に休みが取れるなら自分と一緒に、旅行をしないかと持ちかける。南国荘のことを気にする千歳だが、虎臣も蒼紀もいる今なら、何日かぐらい大丈夫だと答えた。
※ここは千歳でもいいのかな?という気がしています。撮影云々の箇所をざくっと切って、帰宅してから写真を見るとか。いま書いているままの流れになると、ここ以外に千歳の回がなくなってしまうので。
※蓮が咲良を撮る話は、揉め事の要因を作りたくて追加しました。蒼紀たちに関わらず、しかも蓮が攻められる余地のある、痴話喧嘩の素が欲しかったので。
E虎臣
・どうしても蒼紀が気にかかる。昔の千歳に似ているせいだろうか。
・忙しい蓮を前に、手伝っていいのかどうか、不安な顔をする蒼紀を見ていて、虎臣は「助かっていると言ってやって欲しい」と蓮に相談する。
・蓮には「俺も気をつけるが、そんなことは気付いたお前が言ってやれ」と言われてしまった。
・どうしていいかわからないと、正直に訴える。蓮は、思うようにすればいいんだと、話してくれた。
・数日後、蓮と千歳から二人で旅行へ行く話が持ち上がる。もちろん咲良が騒がしい。昔自分も二人の出張を邪魔したなあと思い出し、咲良のことは自分が引き受けるよ、と笑う。
・そんな虎臣をじっと見ていた蓮は、蒼紀に向かって「だったら家のことはお前に任せたい」と言い出した。虎臣の希望を、ちゃんと叶えてくれたのだ。
・動揺する蒼紀のことを、榕子たちも後押ししてくれる。迷う蒼紀が助けを求めるように、虎臣を見ていた。
・ちゃんと手伝うからね、と言った虎臣に、蒼紀が嬉しそうな笑みを見せる。どきっとした気持ちは、なんだか千歳に対するものと違うような気がした。
※問題の「家事を任せる」発言ですが、蓮に言う気はなくても、虎臣にせがまれたら言ってくれるかな?と思ったので。また蓮が家を空けるなら、誰かが家事をやらないと千歳が落ち着かないような気がして。