L虎臣
・蒼紀の身に起きた不幸は、中学生の虎臣にとって対処範囲を超えている。でもそうして辛い思いをしながら、一人きりで耐えていた蒼紀に、愛しさが募った。
・夢を見るように千歳が好きだった頃とは違う。何かしてあげたいと、心から願ってしまう。
・何が出来るかな?オレにできることはないの?そう問いかけた虎臣に、蒼紀は頬を緩めて「そばにいて手を握っていてくれるだけでいい」と囁いた。
・言われたとおり手を握ってみる。間近な蒼紀に見つめられ、吸い寄せられるように唇を重ねてみる。やってしまった自分にも驚いたけど、蒼紀も驚いたのだろう、真っ赤になってしまった。でも嫌がっている感じはしない。
・勢いに任せて「イヤじゃない?」と聞いてみたら、耳まで赤い蒼紀は小さく「虎臣くんならイヤじゃない」と応えてくれる。そのまま何度かキスをして、もう少しだけ先まで。
※武琉に引き続き童貞中学生なので、めんどくさいから(笑)挿れない程度で。
M咲良
・蒼紀と虎臣は二人して、なにかとドギマギ可愛らしい恋愛を始めたらしい。結局自分だけが、短い期間に二度も失恋を繰り返してしまったようだ。
・くやしいので虎臣にちょっかいを掛けてみる。焦った蒼紀が虎臣を取り返そうとして、それに虎臣が喜んで、蒼紀も自分の気持ちを認めざるをえなくなって……と、キューピッドは楽じゃない。
・みんな幸せそうでいいなあ、と一人寂しく零していたら、どこにいたのか庭から現れた男が「次から次に乗り換えるからだ」と手厳しいことを言う。
・誰かと思ったら、初めて南国荘に来たとき、迷っていた自分を案内してくれた青年だった。(花屋A)
・キミもこの南国荘の妖精だかニュンペー(希語で妖精)だかなの?と見当違いなことで驚く咲良に、彼は笑い出した。
・そこへ現れたのは、千歳を伴った蓮。今度は花屋か、お前も大概節操がないな、なんて酷いことを言われる。
・蓮が自分を愛してくれなかったからだ!と抱きつく咲良を、いい加減にして!と千歳が止める。優しくしてくれてもいいじゃないか!と目標変更、千歳に抱きついたら蓮に怒られた。
・オトナが揃ってなに喚いてんの?と顔を出した虎臣と蒼紀。みんな幸せそうでいいね!と拗ねる咲良を、花屋が呆れて見ている。(※性格によっては慰めてもいいんだけど)
・そこへ榕子が来て、全員を集めた。思いつきで言った言葉だったけど、蒼紀にここの管理をしてもらうのはいい案だと思っている。いっそ下宿をしたらどうだろう?
・ノリノリの榕子に、頭を抱える蓮。願ってもない申し出を聞いて、蒼紀は虎臣を見つめる。「いいんじゃない?思ってること言っても。みんな待ってるよ」そう促されて「やりたい」と答えた蒼紀は、今までで一番幸せそうに笑っていた。
※最終回を予定通り千歳にするなら、ここをもう少し厚くして分けたらどうかな、と思ってます。
《以上》
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